先月の終わり頃の展示会で応対したお客の話です。

夫婦で来てうちのブースに立ち寄り、「ワインは使わない、ワインは嫌いだ」といって
一口二口飲んでから「うちは和食やってるから、ワインは使わないんだよ。」
私が「え?和食にワインって美味しいですよ」というと、「だって吸い物には合わないじゃないか」。「それに酢の物にも合わないよ」。
「確か会いませんけど、それだけじゃないでしょ?」と私が言うか言わないうちに席を立って、さっさと行ってしまった。
ワインの好き嫌いより、情けない人達だなって思いました。
吸い物にはワインどころか日本酒だって合わないし、酢の物は箸休めだから特にワインとの相性が云々言われる料理じゃないです。

つまり彼らは、からかってやろうと思ったのか、揚げ足を取って喜んでいただけです。
本気でワインが和食に合わないって思っているとしたら、あまりに無知で向上心がないし、料理をお金取って料理を出す資格の無い人たちです。
こんな人がやってる店には行きたくないですね。

河出書房新社から出ている、私のワインの先生が書いた本で「間違いだらけのワインの飲み方」(藤見利孝著)という本があります。
その本によれば、昔の宮廷晩餐会の記録を見ると、色んな料理に今では考えられないワインや飲み物を合わせていたらしいんです。
これは主催者の王様が、料理におもしろ半分でワインを合わせてみて、お客が美味しい顔をしたり、変な顔をしたりするのを見て楽しんでいたらしいとのことです。
それが、だんだん体系化して今、ワインと料理の相性がある程度決まってきたらしいんです。

最初は遊びで始まった事だし、あんまり相性を気にするとワインが美味しく飲めなくなってしまいます。合うのも合わないのも楽しいですから、色んな料理と合わせて、自分なりのベストな相性を見つけると嬉しいですよ。

実はこれが前置きで、本題はこれからです。
ワインを飲まない人の多くが、「家ではワイン飲むような料理作って無いから・・・」と言います。
「毎日フランス料理イやタリア料理食べてる訳じゃないし、家は質素に和食ですから」という人が多いです。
そんな折、田舎から母の手作りの魚料理が送って来ました。
中身は「イワシの煮付け」(多分カタクチイワシです)と「鰺の南蛮漬け」(前に書来ましたが、私が釣りをやめる原因になった料理です)

イワシの煮付けは、砂糖、醤油、みりんを入れて煮立て、梅干しとショウガのみじん切りを入れて味がしみるまで煮こむだけです。

鰺の南蛮漬けは、家庭によって作り方は多少違いますが。
母のは、砂糖、醤油、酢、1対1対1で入れて一度沸騰させ、低温でじっくり揚げた鰺を入れてタマネギや唐辛子の輪切りなどと一緒に漬け込むだけです。

特にイワシの煮付けは、貧乏だった少年時代に良く食べさせられたおかずです。
どちらかというと、質素なおかずですが、この料理と、弊社で扱っているフランスの赤ワイン「シャトー・ヌフ・ド・パプ」(教皇の新しい館という意味、コート・デュ・ローヌ地方、アビニョンの街の近くで作られます)を合わせて見ました!
何故か抜群の相性です!赤ワインの渋みが消え、魚の生臭みもなく、ワインはフルーティーに変化し、イワシの美味しい味だけが口いっぱいに広がります。

貧乏料理でも、立派にワインとあいます!でも貧乏料理とは失礼かもです、妹の嫁ぎ先が網元なので、朝持ってきてくれる取れたての新鮮なイワシを使った贅沢な料理です。

大きくて真っ白なお皿の真ん中に、これを3〜4匹盛りつけて、シブレットなどを添えると、フレンチのお店でも出せるかもデス(無いか笑)
おかげで早速母に電話して、作り方を聞いてしまいました。

今でもスーパーに行けば、1パック200円とか300円くらいでイワシが売っています。
美味しい赤ワインとイワシの煮付け、是非試して見てください!

ところで、鰺の南蛮漬けはどうなの?っていう人もいらっしゃると思いますが・・・。
何でも実験感覚で試して見ましょう!